結局声とも音ともつかない
息をはいただけで、瑞樹は
振り切るようにあたしに
背を向ける。



「……………!」



『待って』なんて言うのも
怖いと思えるほど、
向けられた背中は冷たくて。



あたしはその場に立ち
尽くして、部屋を出て行く
瑞樹を呆然と眺めてた――…。






     ☆☆☆☆☆



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