《完》オフィスでとびきりの夜を

そして、見てるあたしが
苦しくなるほどの切ない表情で、



「ゴメンね、莉央。

莉央のためだけに考えを
変えることはできない。

オレは――この話は、
引き受ける」



「……………!」



告げた瑞樹も、告げられた
あたしも。



なぜかお互いがナイフで
身を切られたように痛い
――そんな一言だった。



「誰のためでもなく、
オレがオレ自身のために
やりたいことだから。

莉央が反対しても――…

オレ、もう決めたから」



「そんな……決めたって……」



それじゃあ、あたしは?



あたしはどうすればいいの……?



瑞樹が遠くに行っちゃう
かもしれない不安を
かかえて、あたしは……。