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「莉央(りお)、愛してる♪」



耳元に唇をあてて
囁かれる、甘い愛の言葉。



あたしはくすぐったさに
身をよじらせながら、



「もぉ、わかってるって。

息吹きかけないでよ」



すると瑞樹(みずき)は
シュンとすねたように
肩を落として、



「つれないなー。

あたしも愛してる って
返してくれてもいいのに」



「変な声マネしないでよ」



あたしそんな猫撫で声で
『愛してる』なんて
言ったことないよ……たぶん。



とか思いつつもちょっと
自信のないあたしは、
うろたえてるのを気づかれ
ないように今まで以上に
シャンと背筋を伸ばす。