そしてあたしの前に立った。
背が低いあたしは光樹を見上げなければいけない。
「光樹…?」
あたしはつい光樹の名前を読んでしまった。
複雑な顔をしているように見える。
光樹が動いた。
あたしはとっさに目を瞑ってしまった。
その瞬間、光樹の匂いに包まれた。
思考停止。
あたしは固まった。
身動きが取れないくらい強く抱き締められた。
でも苦しくなくて。
離してほしくない。
あたしは抱き締め返すこともできなかった
すると頭上から「ふっ」と笑う光樹。
「なっ…なに」
「固まりすぎ」
笑っているのにうでの力は一向に緩くなんかならなくて。

