ん。

……頭が重い。

くらくらする。

なんだろう、この感じ。



不思議な感覚だ。

ゆっくり目を開くとそこには光樹の顔があった。

びっくりして起き上がったらあたしはタオルを1枚巻いたままソファに寝ていたことが分かった。



「わっ…きゃっ!」


自分の格好が恥ずかしくて両手で体を隠した。



少しだけ目を細めた光樹はあたしに背を向けて「風呂で寝てた」と一言言った。



そして冷蔵庫を開けて、水が入ったペットボトルをあたしに投げた。




戸惑いつつもなんとかキャッチした。


「あ、あたし…寝てたんだ…」



確かにあのあとの記憶がない。



「あの、ごめんね…?」


震える声を必死に抑えてあたしは光樹に謝った。


少しの沈黙。
それがとても長く感じた。

何を言われるのかな。とか面倒臭かったよね。とか


一瞬でいろいろ頭を過った。



「全然。まず早く着替えろよ。風邪引くよ?」




あたしの目を見てそう言った。



あたしは軽く頷いて部屋へと小走りで戻った。