「俺、美緒のこと信じたかったよ」



あまりにも低い自分の声に少々驚きつつ。


美緒から、青白い光を放つ月に目をやった。




「もういいよ」



なにが?
自分で言った言葉に身体が熱くなっていく。



これ以上言ったら、完璧に美緒に嫌われる。



でもさ。


「美緒の気持ちがもう俺に無かったら意味ないよな」




「………光樹?」


なにを言ってるのか分からないみたいな顔をしている美緒を思わず抱き締めたくなった。