「西川?」

気づけばいつの間にか目の前には不思議そうな顔をした蓮くんが立っていた。



もう夜であたしたちはついさっき、帰ろと意気投合したんだ。




車のライトの逆光で蓮くんの顔がなかなか見えない。




「えっ。あ、ごめっ…」

「送るよ、家どこ?」



あたしの腕をひき、蓮くんとあたしは並ぶようになった。



「ちょ…離してっ…」


振り払おうとしたけどやっぱり離してくれなくて。




これじゃ客観的に見ればただのカップルじゃん。


嫌だよ…。


「あたし、1人で帰れるもん」