あたしの目の前にマイクを差し出してきた大雅くん。
あたしはそれを握り、控えめに息を吸う。
カラオケに来たのは久しぶり。
ましてや男の子がいるのなんて初めてで。
どういう歌を入れれば良いのか分かんないし。あたしが普段歌う歌と言えばやっぱり恋愛系。
男の子がいるのになんて思うけどやっぱり目がいくのは好きなアーティストの恋愛の歌。
まあ。さっき大雅くんも恋愛の歌、歌ってたし。
そして嫌みない歌声。
その次にあたしってどうよ?て思うけど、光樹と唯花を忘れるためには好きな歌を歌うしかない。
「わ!!美緒うまーいっ」
「かわいー♪」
沙希はタンバリンを持ってノリノリ。
大雅くんは食べ掛けのチョコレートパフェを無視してまであたしの歌を聞いてくれた。
それが嬉しくて。

