でも蓮くんは彼氏なんかじゃないもん。



光樹だから!

自分に言い聞かせるようにそう思って、あたしは大きなため息をつく。



ぱちんっと頬を両手で叩いてようやく落ち着いた。





No.23と書かれたプレートを見つけ、迷わずそこへ入る。




そのとき、笑顔のあたしがいた。



きっと自分に言い聞かせたから。



彼氏は光樹だって。

大丈夫だって。



唯花なんかに光樹の気持ちが揺るぐわけないって。



「遅いよ!!」


かなりの形相をしている抄希に頭をペコペコ下げながら隣に座る。