その言葉に光樹はまたあたしを見る。



反らしちゃいたい。こんな視線。やだよ、怖いもん。



「…あたしは…光樹がいるからって言うんだもん…」


だんだんと声が震えてきた。制服のスカートをただ力任せに握りしめ、俯く。




「……あたしっ……きゃっ」



腕をひかれ、光樹の腕のなかにすっぽりと収まる。


「そっか。ごめん」



身長の差で光樹の唇が微かに耳にあたる。意識してるのはあたしだけ。



「う…うん…、大丈夫」


ずっとこうしていたい。絶対に離れたくない。



でもね。
やっぱり不安だから。自信がないから。



二人の心の糸が絡まるのはいとも簡単で。