あたし達は、人の少ない中庭にある階段に腰を下ろした。


忘れたいのに、なんで忘れることが出来ないんだろう。

何事もないかのように振る舞っていれば、そのうち忘れると思っていた。

話さないでいれば、そのうち気持ちなんて薄らいでいく。
そう、思っていた。



なのに、薄らいでいくどころか、前よりもずっと大地の事を考えている。

後悔している。


華耶に自分を重ねちゃったりなんかして、自分でも馬鹿だと思う。



あたしが思ってた以上に、あたしの中の大地は大きかったんだ。



でも、どうしたらいい?

もう、気持ちを伝える事など出来ないのに、いつまでも想い続けたって辛いだけ。


だから、忘れるしかないんだ。


叶わない事を願っても、不毛なのだから。