「……さっき、友達の彼氏とか好きな人を奪う理由を『無性に』って言ったけど、嘘。

本当は、羨ましかったの。
本気で愛されてて、本気で愛してるその友達が。
愛されていない、愛してもいないあたしにとって、そんな友達が凄く眩しく見えた。
だから、その友達が想っている人に恋をすれば、あたしもそんな風になれるんじゃないかって思った。

……馬鹿だよね」


愛が、欲しかった。

誰かに、必要とされたかった。

生きる意味が、欲しかった。


華耶の表情からは、そんな想いがひしひしと伝わって来た。

“愛が欲しい”

それは誰しもが思い、願う事。
ただ、華耶はそれが人より大きかったのだ。
それは、欲張りという事ではなく、孤独という事に対して極度の不安感を抱いているからなのだと思う。