そうしている間にも、時間は過ぎて行く。


何処に居るの…?


あたしは、惨めなのは覚悟の上で、カップルだらけの橋に足を踏み入れた。



橋の上には思ったよりも沢山のカップルが居て、やっぱり華耶達を捜すのは困難だった。




「そうなんだ~」


「あのさ…」


「お前のこと…」



周りのカップルの会話が、頭の中にガンガンと響く。


その瞬間、我に返る。


あたしは、一人で何をやって居るのだろう。

何がしたいのだろう。


『好きじゃない』とか言っておきながら、なんで捜してるの?

自分から告白を促したくせに、なんでこんなにも動揺してるの?



……なんで?




「…姫月?」



名前を呼ばれて反射的に顔を上げると、暗くて良くは見えないが、大地の顔がうっすらと見えた。