これでいいんだ。

これで…いい。



そんな考えとは裏腹に、頭では華耶と五十嵐の事がぐるぐると駆け巡っている。


五十嵐の今までの態度からして、華耶の告白をOKする訳がないと分かっているのに、気が付くとまた考えているのだ。


もし、五十嵐がOKしたら…?


やっぱり華耶は可愛いし、その可能性だって、あるのかもしれない。



そうしたら、あたしはまた後悔するのかな。


また同じ過ちをしているのかな。



あたしは、五十嵐の事が好きなの…?




テレビから聞こえる笑い声も、軽快な音楽も、あたしの頭を通り抜けていく。



自分の感情が、自分でも良く分からなかった。





ただ、今のあたしには、じっと待っている事など出来なかった。