言葉ではそう言いながらも、華耶は試す様な目であたしを見ている様に感じられた。


『酷い事しちゃうじゃん?』って、まるで前もするつもりじゃなかったという様な言い方。

大地の時だって、鳴海の時だって、あたしや美津菜が好きなの知ってた上であんな事したくせに。


どうせここであたしが五十嵐の事を好きだと言った所で、諦める気なんて更々無いんだろう。



「もう、姫月が悲しむ事したくないからさ…好きかどうか聞こうと思ったんだ」


そう話す華耶。

あたしは怒りを抑えるのに必死だった。

悲しむ事したくないって…


じゃあどうしてあたしの目の前で大地に告白なんてしたの?


どうしてあたしが大地の事好きなの知ってて
サッカー部のマネージャーになったり
2人で帰ったりしたの?



どう考えても、華耶にそんな悪びれた気持ちがあったとは思えない。

大地の事が好きだったとしても、もっと他に方法というものがあったはずだ。