驚きの余り、つい声が大きくなってしまった。

大地が驚いた顔であたしを見て来る。



「…九條から聞いてないの?」


あたしは首を横に振る。

「最近…あんまり話さないから…」


その一言で、大地もなんとなく事情が分かったらしく
『そっか』
とだけ言って、それ以上は聞いて来なかった。



別れた事について凄く気になった。
だけど聞いていいのか分からなくて口を開けずにいると、大地の方から話してくれた。


「2週間位前かな。
突然九條に呼び出されて。
なんとなく予感はしてたんだけど…『他に好きな人出来た…ごめん』ってさ」


大地は笑いながらそう言ったけど、瞳は心なしか潤んでいる様に見えた。

2週間前…って、班決めた日の数日前位?



「正直…覚悟はしてたっつーか、多分あっちは俺のこと本気じゃなかっただろうし。


なんかさ、幾ら一緒に居ても、好きって言葉を貰っても、片想いしてるみたいに思えた。

俺が言えば答えてくれてたけど、あっちから求められる事なんてなかったし、だから、九條は俺の事が好きで付き合ってくれてるんじゃないんだなっていうのは感じてた」