しかし何処を探しても、皿は見当たらない。

持って来たのが華耶という事もあり、ピリピリとした空気が流れる。


「…じゃあ、あたし取って来るよ。無いのって紙皿だけだよね?」


このまま探しても埒が明かないと思い、あたしは皆にそう声を掛けた。


「あー…うん。
ありがとう」


「いいって!
皆はどんどん焼いてていいから」


鳴海の言葉にあたしは明るく返すと、材料などが置いてあるテントに向かって歩き出した。


周りを見渡すと、どの班も笑顔で溢れていた。
正直それが羨ましく感じられた。


…そう言えば、前に美津菜は宿泊学習の日に、鳴海に告白すると言っていた。

あれから話を聞かないけど、今日するのだろうか?



「姫月っ!」


そんな事を考えていると、後ろからあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。