五十嵐が優しくなった……?
確かに暴言は吐かなくなった。
華耶に対しては別だけど。
表情も明るくなった。
って、これじゃあまるでいつも五十嵐の事を見ている様だ。


「誰が五十嵐を変えたのかは知らないけど~」


美津菜はそう言ってあたしの目を見る。


「……あたし?の訳ないじゃん。
だってあたしは五十嵐にしてもらってばっかりで、何もしてあげてないし」


そうだよ。
いつも五十嵐には助けてもらってばっかりで……あたしは五十嵐に何もしてあげていない。
でも、美津菜はまだ腑に落ちないという顔をしている。


「それより美津菜、どうすんの?
鳴海が他の女子と班組んじゃってもいいの?」


「……やだ」


小さい声で美津菜は呟く。
その姿がまた可愛く見える。
本当に鳴海の事が好きなんだなぁ。


美津菜の恋が、叶って欲しい。
純粋にそう思う。


「じゃあ言って来なよ!」


あたしはチラッと鳴海と五十嵐がいる方に目線を向けると、数人の女子が二人に話し掛けていた。