今日の美津菜はいつもより元気がない。

理由は、美津菜の視線の先に居る華耶と鳴海だろう。


「……美津菜、大丈夫?」


「ん?平気だよ」


だけど、そんな美津菜に追い討ちをかける様にどんどん親密になる華耶と鳴海。

何度か華耶に言ったけど、一向に鳴海と話すの止めないし、そんな日が何日も続いてさすがに美津菜も我慢の限界が来た様子だった。


その日は一段と機嫌が悪かった。

昼休み、華耶は鳴海と話た後、平然と美津菜の隣に座る。


「お待たせ~!お弁当食べよ」


華耶の笑顔を見て、美津菜が立ち上がった。


「……に…ってんの?」


肩を震わせながら、微かな声で美津菜は言った。


「へ?」


「何笑ってんの?何がしたいの?
いい加減にしてよ!」


そう大声で叫ぶと、美津菜はお弁当を机の上に置いたまま教室から出て行ってしまった。

クラスの皆の視線が、あたしと華耶に集まる。

華耶はキョトンとしている。


「美津菜の言った事、分かってるよね?」


華耶にそう冷たく言い放ち、あたしは教室を飛び出し美津菜の後を追いかけた。