「でもその時間になると橋にいっぱい人来るし、橋に連れて行くだけで告白するってバレバレなんだけどね」


確かにそうだ。
恋愛橋に来てやる事と言ったら告白しかないだろう。


「……でも、少しでも望みがあるならそれに賭けたい。
何かあたし、自分で思ってた以上に鳴海の事好きみたい」


美津菜は顔を真っ赤にさせて笑った。


「多分、こんなに好きだと思ったの、華耶の事があったからだと思う。

好きだから、話さないでって思うし、凄く嫉妬する。

正直凄い辛い。けど、この辛さって好きだからあるんだと思ったんだ」


あたしは大地の事を思い出した。
あたしも好きだから故に辛くて、沢山悩んだ。


「分かるよ。あたしも辛かったから。
華耶の事はいいの?」


「いい。てか、あたしには何も言えないじゃん?鳴海の彼氏とかじゃないし。
それに華耶だって小野寺がいる訳だし、深い意味はないと思う」


何だかちょっと前のあたしを見ている様だった。

あたしはどう返事しようか迷ったけれど、そっか、とだけ返した。


美津菜がそう思う気持ちは痛い程分かる。
でも、美津菜はちゃんと好きって伝えようとしている。

自分とは違う、そう思った。