「翔が“ナツなら受かるんじゃねーの”って、生意気に言っていたわ」


「~~~ ッッ」


じわじわっと、胸が熱くなる。


まだ、声を聞いたわけじゃない。

直接会った、わけじゃない。


でも、遠くで翔ちゃんが応援してくれているんだ。



「翔ちゃんに、伝えてもらいますか?」


「いいわよ」


「“ありがとう”って、伝えてくだい」


翔ちゃんの言葉で、頑張れそうな気がする。


「わかった。 伝えておくね」


会えなくたって、声が聞けなくたって……。

あたしと翔ちゃんは、どこか――― 繋がっているような気がした。