あたしの顔は、きっと…… 泣いたせいもあってぐしゃぐしゃだろう。
「ナツにそんなこと言ってもらえるなんて、光栄だなー」
「ハルは常に、まっすぐだよね」
ハルのそういったところ、いつもすごいと思うから、尊敬する。
あたしには無いところだ。
「ナツ、トイレ行って自分の“かーおっ”ちゃんと見てきな? マジで、笑えるから……」
笑いを隠しているのか、肩が小さく揺れている。
「あーっっ! ひっどーいっ。 あたしがちょっと“ハルを尊敬”とか思っていたのにー! もう、絶対“尊敬”なんて、しないからッッ!」
これだけ言い残して、席を立つ。
あんなこと、言ったけど……。
本当は、嘘。
ハルを尊敬する。
優しくて、ときにはお姉ちゃんみたいで、たまに甘えてくる妹みたい。
こんな、ハルにいつも…… あたしは、助けられた。


