「はぁーっっ」


無駄に大きなため息が出た。


あれこれ考えたって、なぜか“無駄”なような気がしてならない。


翔ちゃんの声が聞けないのは部活で忙しいから―――。

そうやって考えるしか、ないんだ。

…… それしか、無い。


「ナツー、ご飯ーっっ」


「はぁーいっ」


今は、この空腹のお腹を満たすことが先だ。


綺麗に並べられた食事の前に座る。


手を合わせ、「いただきます」と言って食べはじめた。


今日あった、他愛も無い話しをしながらお母さんと食べる。


「ナツの初恋って“翔ちゃん”だよね」


「えぇ!? あたしの初恋って翔ちゃん?」


「なに、自分のことで驚いているの」


そりゃ…… 普通に驚くってば!

あたしの初恋が翔ちゃん……。


てっきり…… 小学校の先生が初恋かと思っていたよ。