急いで、通話ボタンを押した。


「――― もしもしっ」


「ナツちゃん、やっぱり起きている―――」


――― 翔ちゃんの、お母さんだ。


「こんな時間にどうして……」


疑問に思ったことを、つい口から発してしまった。


「明日、ナツちゃんは受験でしょ?」


翔ちゃんのお母さんにも、明日の受験のことは話てあった。

でも…… どうして?


どうして、あたしになんて電話をくれるの?


「ナツちゃんと翔は、似ているから」


あっ……。 また、おばさんから翔ちゃんの話をしてくれる。


「翔もね…… 受験の前夜は眠れないようだったから」


あぁ…… あたしと翔ちゃんは、似ているんだ。


「おばさん。 ありがとうございます」


似ているから、おばさんは心配して連絡をくれたんだ……。