忘れることはない―
彼と初めて会った
中学の入学式の日のことを…
私のお気に入りの遊歩道には
満開の桜が色鮮やかに
咲いていたんだ

小学校を卒業しランドセルが
革鞄になり少し大人になった
ワクワクした気持ちに
なったのも今では
ちょっとした思い出なんだ

中学校は家から少し
離れた場所だったけど
私は家の前に広がる
長い遊歩道の道が
小さい頃から好きだった
そして一番は春の時期に
桜が満開になるこの道は
一番の私のお気に入りだった
だから学校もこの遊歩道を
自転車で通学をしようと
自転車通学を選んだ

あの頃から変わらない
この道は何も変わらず
私のずっとお気に入りの道―

小学校に行くにも
毎日利用していた道だった

その日は小学校から仲のよい
友達の¨中井知己¨とは
中学も同じと言うことで
私に合わせて自転車で通う

人見知りの私には
知己と一緒に通うことは
とても安心でそして
中学校に行くのが
楽しみになっていた

目覚ましが鳴り響き
部屋の外から階段を上がる
足音が部屋に近づく音がする
そしてしばらくすると
カーテンが開けられたのか
眩しい光が顔に当たった

『もえ…早く起きない。遅刻するよ』と
母親が布団を剥ぎ取る