¨今日も俺生きてるんだ¨と
毎日同じように感じ
そして目が覚める
毎日変わりようのない
病室から見える景色は
どんなに明るい光が射しても
今の俺じゃ暗闇と同じだった

トントンと扉を叩き
真悠が病室に入ってきた

『空ちゃん、おはよう。着替え持ってきたよ。今日はいい天気だから窓開けるね』と
カーテンを開き窓を開ける
外からは少し
冷たくもなく温かくもない
風が入り混んできた

真悠は毎日ずっと仕事を休み
直人の代わりに
病室に通っていた

『空ちゃん、昨日また達也君来たよ。空ちゃんに会いたいってずっと言ってた。病院はいつでも退院できるんだよ…やっぱり会いたくない?』と
真悠の言葉に彼は
一瞬顔が強ばったが
返答はなかった

毎日返事のない会話―
真悠はそれでも一人で
彼に話ながら1日を過ごす

『おはようございます。朝ご飯ですよ』と
看護婦さんはニッコリ笑い
お膳を持ち現れると
『ありがとうございます』と
真悠は受け取り
彼の前に置くが
彼は食事に手を付けない