最近気が付くとよくコケる―
普通に歩いていても足が縺れたり
違和感を感じることが
しばしあったが
彼は深く考えなかった

『はい、集まって』と
顧問の先生が声をかけると
グランドに散らばっていた
部員が一斉に集まりだした

『来週、市内のタイム記録会がある。各部門代表2名づつで行われるが、短距離は、4人メンバーがいる中、記録会前に4人のうち2人代表を選ぶ。各自モチベーション上げとくように。以上、解散』と
先生が言うと
『お疲れ様でした』と
大きな声で部員一斉に
頭を下げると
部員は解散し始めた

『佐藤、調子はどうだ?タイムだいぶ、縮んでるようだな。久保を受けるんだ、記録会の代表入り期待してるぞ。四人の中じゃ、まあ心配はいらないが、気を抜かずにな』と
先生は彼の肩を叩くと
『佐藤、何だか足の擦り傷多くないか?怪我には気をつけろよ』と
先生は彼の足の怪我を気にしながら
再び歩きだすと
彼は軽く会釈し
『はい、ありがとうございました』と
言うとまたグランドを走り出す

『空太君、良かったね。先生にあそこまで、言われたら頑張らないとね』と
菜穂子が言うと
彼は何も言わずにその場で
ウォーミングアップをし
再び走り出した