お父さんの姿がない……ーー


「お父さんは??」


「お父さん!!」

お母さんは大声で厨房に向かって叫ぶ。


お父さんは出て来た。


私はまともにお父さんの顔が見られず…透真の背中に隠れた。


「美古…」


透真は背中に隠れた私の腕を掴んで、前に突き出す。


「……やっぱ…帰る」


お父さんは黙って無表情に私を見つめる。
その威圧的な態度に私は怯み…踵を返す。


「美古…謝れ…」

透真が耳元で囁き私に促す。