CLOSEの札の掛かった扉を開く。


ドアの上に付けられたベルが鳴り響いた。


「ただいま…」
なんせ…大喧嘩して飛び出したもんだから…私は堂々と店に入れなかった。
身体を竦ませて…おそるおそる入る。


「お帰りなさい…美古」


「お邪魔します…」


私の後ろから付いてい来るように透真が店の中に入る。


「初めまして…美古の母です!」


「初めまして…濱部透真と申します…」


「『星凜堂』の社長様なんですよね…姉の麻古もお世話になってます」


「こちらこそ~」
透真は愛想よくお母さんに笑みを浮かべて挨拶。