ふと、気づいた時。
その女のコの姿が見当たらなくなっていた。


それに気づいたジュヨン。
演奏が終わった途端。



『(悪い、ジナ。後を頼む)』


慌てて走り出したんだ。



残された私は、何とかその場を取り繕って

ジュヨンの後を、追いかけた。



だけど。



駐車場。

裏庭。

非常階段。



どこを探しても、いない。




「!」


もしかして。


そう思って、病院の中へ。



呼吸を整えながら、入ってすぐの所にある、待合室をのぞいた。





「ダ……ダイジョウブ?」





聞き覚えのある声が響いた。




――ズキン。




ジュヨンは、やっぱりあのコと一緒だった。