好き――。


ふと気づいたら、そうなっていた。


いつの間にか、あの人の存在が大きくなっていた。



全然タイプじゃなかったのに――…




無造作に伸びた髪。
たまに生えている、不精髭。


孤独を抱えているような雰囲気。
いつも悲しげな瞳。


スラッとした、長い手足。
少し猫背で歩くところも。


初めて見た、笑顔も――。
眠りながら流した、あの涙も――。



例え、この全てが……ニセモノのあなただとしても、……好き。