「今まで、って――?」

多分、ジュヨンさんの事だろうと思ったけど、知らんぷりした。



「別に、隠す事はないだろう」

「そうよ、羽那。大事な事なの」


お父さんとお母さん、真剣な顔。
何だか様子が変……。



「だって……」


天と地がひっくり返っちゃって。

有名人のカン・ジュヨンが、私を『愛してる』って言ってくれたんだよ?


歳も離れているし。
言葉も文化も違う。
境遇も違えば、国籍も違う。



――遊ばれているだけだ。

――すぐに捨てられる。

――傷つく前に、別れなさい。


 
きっとそんな風に、夢のない事を言うんでしょ?

私が口ごもっていると――。



「この人と、一緒だったの?」

以前、私とジュヨンさんをスクープした週刊誌を広げて、お母さんが言った。


「どうなんだ、羽那?」



2人とも、怖いよ――。

…………、…………。


コクン。
私は、黙ってうなずいた。