シアワセニナレ。



――ジナは俺が幸せにするよ。

――俺を信じて。

――卒業したら、結婚しよう。



「(……テソン……)」


閉ざされていた、記憶の扉。

少しずつ開かれていく……。
そして、一気に溢れ出す。


――ジナ、愛してる。

――ジナ、ずっと一緒にいよう。

――ジナ、幸せか?


ジナ、ジナ、ジナ…………。

懐かしい響きに、また涙がにじむ。



「(ジュヨン……私……っ)」


まだ……テソンのことを――……


愛してる。
ずっとずっと――。
今も――愛してる。


きっと、ジュヨンに対して抱いた想いも、
「愛」だったと思う。


だけど、一方通行の「愛」じゃ、私……。
幸せになれない。


永遠の愛を約束してくれた、テソン。
かけがえのない存在。


そんな大切な人を、裏切ってしまった――。


誰よりも、私の幸せを願っていてくれたのに…………。



「(あいつの事だから、きっと今でも願ってるはず。ジナ、お前の幸せを)」


ジュヨンの言葉に、心が震えた。



ごめんね、テソン。
もう二度と、あなたを裏切らない。


約束する。
私、必ず幸せになる――。