「……っ」

胸が張り裂けそうなくらい痛い。


最後の言葉を、本人の口から聞けないなんて……。


自分の気持ちさえ、誰かの助けを借りなければ伝えられないなんて……。



最悪な気分で、車に乗り込もうとした時。


「木崎――」

佐伯くんに呼び止められた。



「木崎、あのさ――…」

何か言いたそうな感じだった。



でも――。


「私が今、どんな気持ちか分かる?」


あなたは、私の気持ちを踏みにじった。


なぜ、私が元カノ(桂子ちゃん)の親友なのか――とまで言った。


それに……。

関係ないけど、たった今、私――。


好きな人に「サヨナラ」を言われたの。



「――最低っ」


半分、八つ当たりだった。