「どうぞ、座って。 はい、ジウさんに、バレンタインのチョコケーキ」 あたしは、ケーキプレートを座ったジウさんの前に差し出した。 「ああぁぁ…… ずるいっ、ジウばっかり、ジウだけのじゃないぞぉ…… みんなで食べるんだからなぁぁ……」 横から出された手を、ペシペシと叩き落として、あたしはホールケーキを守ろうと必死だ。 そんな様子を笑って見ていたジウさんだけど、急に真面目な顔つきになって立ち上がった。