その涙も俺のもの

最近、俺にちゃんと話してくれる機会も少なくなっている。



俺、なんかした?



「じゃあ、もう帰ろうか」



美優が足早に歩き出した。


帰り道、手を繋いで喋りながら帰る。



心なしか、美優の笑顔、少し無理をしている気がする。



考えていると、家の前に着いてしまった。


「送ってくれてありがとう、いお君、手…出して」


俺は言われるがままに手を出した。