妖精なアイツ



「あたしの部屋やし、あたしが出るわ」


美衣子は、"何事?"という顔で布団から立ち上がる。


「寝てるとこすまんなっ。ほかのクラスで、部屋を勝手に交換してる生徒がおったから…確認しに来たんや」


すまなさそうに、ドア越しで話す男の教師。


舞は、ゾッとして隠れる場所を探した。


だが、部屋には隠れる場所がまったくない。


「2人とも寝てるんですけど…」


眠たそうな美衣子の声が、向こうから聞こえてくる。


舞は、美衣子のとっさの嘘にあわせ…寝ているフリをした。


「すまんなっ、寝てるとこ!ちょっと、ゼッケンを見せてくれ」