「アイツを追い込んだのも、苦しめたのも全部俺だ。」
そう言って、しゅーちゃんは頭を抱え込む。
そして…
その体制のまま、私の顔は一切見ずに静かな声でこう言った。
「伊織。
アイツのお腹にいるのは俺の子どもじゃない。アイツのお腹にいる子どもの父親は……、祐吾だ…。」
えっ…??
どういう……コト…??
人間って…
あまりにもびっくりすると思考も行動も全てがフリーズしてしまうんだと初めて知った。
何も言えず
ピクリとも動けず
ただひたすらに彼を見つめ続けていると
「アイツは…祐吾に泣いてすがったらしい。
“俺を引き止める為に協力してくれ”と。」
そう苦しそうに言葉を吐いて、しゅーちゃんはハァと深くため息をついた。
意味がわからない
どういう…こと?
泣いてすがった…って、なに?
引き止める為に…って、どうして?
だってそんなの理解不能すぎる。



