高校の時にはそういうイジメがあまりに多かったから、自分の心を支えるために理央の言葉を何度も何度も唱えていたけど……。
でもやっぱりツラかった。
だから今回も同じことがまた起こるのかと思うと、ちょっとげんなりしてしまう。
あったかい布団の中で、だんだん寒くなる心の中。
掛け布団をキュッと握りしめながら重い感情に押し潰されそうになっていると
「元気だして、高宮さん。」
田中さんは私の背中を布団ごしにポンポンと叩く。
えっ!!??
驚いて田中さんの方へ体を向けると
「他人に自分の全てを理解してもらうことなんて不可能だと思わないかい?
高宮さん、僕は自分は自分にしか救えないと思ってる。」
そう言って田中さんはニッコリと微笑む。



