でも……
「パパ、どうしたの??」
そう言って、怖い顔をしている藤堂を心配しているクソガキの顔を見て、全ては遅すぎたのだと悟る。
オマエは突然現れた本当の父親なんかより、藤堂のほうが好きなんだろ?
俺なんか必要……ないよな??
そう思った俺は、
「I am not related to him.
Probably, it will be too late?
(俺と彼は関係ないよ。全ては遅すぎたと思わないか?)」
そう言って。
仁というクソガキにできたてのイチゴシェイクを手渡すと、藤堂は下唇をかみ締めながら、俺の胸元をグッと掴んだ。
「あんた…ホンキか??
ホンキで言ってんのか??」
今にも殴りかかりそうな顔をして、俺に噛み付く藤堂。
「ホンキだよ。
俺は高宮に会う気はないし、全ては遅すぎたと思ってる。
高宮の幸せを壊す気はないよ。」
こんな時になっても脳裏を掠(かす)めるのは3年前に見た、高宮の幸せそうな笑顔。
俺は未だに高宮のコトが好きだけど、高宮の幸せを壊してまでアイツを奪いたいワケじゃない。
今は遠くからアイツの幸せを見守ってるだけでいいんだ。



