サンフランシスコかぁ…
藤堂と高宮の住む、悪魔の本拠地。
シスコは今まで俺が避けに避けていた、鬼門の地。
今までなるべく近づかないようにはしていたんだけど……。
そろそろ俺も金欠気味。
そろそろ日本に帰る準備もしたいし、持ち金が多くて困ることはない。
そう思った俺は…
「面白そうだね。
その話、乗るよ。レオ。」
レオの提案に乗ることにした。
今思えば…、俺は期待してたのかもしれない。
もう会わないと決めていながら、
高宮に会えるといいと、
そんな女々しい期待をしていたのかもしれない。
でも…期待はただの期待に終わる。
神様はいつだって俺に背を向けて、
俺を幸せから遠ざける。
神様は俺からイブを奪ったし
高宮だって奪っていった。
どんなに期待をしたって、報われることはない。
それなら…いいだろう?
小さな期待ぐらい、させてもらっても。



