君を想うとⅢ~True love~



サンフランシスコかぁ…


藤堂と高宮の住む、悪魔の本拠地。
シスコは今まで俺が避けに避けていた、鬼門の地。



今までなるべく近づかないようにはしていたんだけど……。
そろそろ俺も金欠気味。
そろそろ日本に帰る準備もしたいし、持ち金が多くて困ることはない。





そう思った俺は…


「面白そうだね。
その話、乗るよ。レオ。」


レオの提案に乗ることにした。





今思えば…、俺は期待してたのかもしれない。




もう会わないと決めていながら、
高宮に会えるといいと、




そんな女々しい期待をしていたのかもしれない。





でも…期待はただの期待に終わる。




神様はいつだって俺に背を向けて、
俺を幸せから遠ざける。




神様は俺からイブを奪ったし
高宮だって奪っていった。





どんなに期待をしたって、報われることはない。





それなら…いいだろう?

小さな期待ぐらい、させてもらっても。