君を想うとⅢ~True love~




あの幸せそうな家族から高宮を奪うなんて、
さすがの俺にも出来そうにない。



自分の複雑な家庭環境があるからかな…。



な~んかそういうのは弱いんだよなぁ。
人妻とか、カレシもちとか、そういうのは全然平気なんだけど。



あ~~~~~!
無理。



コレは絶対に無理だな。



あの子から高宮を奪うなんて…絶対無理だ。




だってそうだろ?
あんなふうに幸せそうに笑ってる家族をバラバラにさせてまで、俺は自分の欲望を満たしたいわけじゃない。


俺はアイツを不幸にさせたいわけじゃなく、幸せにしてやりたいんだから。




たとえココで高宮を奪えたとしても…
俺は絶対に今日の日のコトを後悔する日がやってくるんだろう。





それなら…俺はココですっぱり諦めよう。





そんな想いを抱えながら毎日を過ごすくらいなら、今俺が諦めてしまうのが一番いい。



俺だけがガマンすればそれでイイなら…
俺はオマエを今度こそ諦めるよ。





「Bye,高宮。」





俺は小さくそう呟いて。
懐かしいアリストコートを後にして、品川のビジネスホテルで1泊すると…また海外へと旅立った。