君を想うとⅢ~True love~



ウソ…だろ??



俺はその姿を見て、ただ立ち尽くすことしか出来なかった。




ベビーカーの中には、小さな赤ちゃん。




幸せそうな、家族の姿がそこにある。





どういう経緯で2人がここにいるのかは、簡単に想像がつく。






多分…
高宮は俺と別れてすぐに、サンフランシスコに行ったんだ。







今日は藤堂の休みを利用して、理央ちゃんの所に遊びに来たんだろう。





幸せそうに笑う高宮と
相変わらず、人懐っこい笑みで高宮を見つめる、藤堂。




話さなくても、高宮のあの顔を見ればすぐわかる。




きっと…
高宮は幸せなんだ。


じゃなきゃ、あんな風には笑えない。





高宮が藤堂と2人だけでいるのなら、俺はどんな手を使ってもアイツを藤堂から奪ってやろうと決めていた。



でも…こんな姿、見てしまったらもう無理だ。