――3年前、東京
都会特有の喧騒。
吐きガスの匂いに、灰色のビル群。
慌しい人の流れに、時間の流れ。
「久しぶりだなぁ、この感じ。」
東京に降り立つと、俺はおのぼりさんのように周りをキョロキョロと見渡す。
久しぶりの東京は相変わらず忙しそうに時間が流れていて、どこかみんな生き急いでいる様に見えた。
俺はバックパッカーのでっかいリュックを背負うと、久しぶりの山手線に乗り込んだ。
目指すのは…
懐かしい街、代官山。
アリストコート301。
高宮伊織を奪う。
藤堂の元から奪ってやろう、と。
それだけの目的の為に、俺は東京に戻ってきていた。
結婚してようと、
2人で暮らしていようと、カンケーない。
俺は高宮が好きだから。
どうしようもないほどにアイツのコトが好きだから、
俺は高宮を奪ってやろうと心に決めて、帰ってきたんだ――……。



