あの日から。



あたしと伊織の“戦い”ってヤツは始まった。



仁が生まれる前は生まれる前で、伊織のご両親を説得する作業に忙しい日々。


仁が生まれたら生まれたで、嵐のように目まぐるしい毎日。





そんな中…
私は忙しい合間をぬって、時間とお金の余裕が出来るとサンフランシスコと東京を行き来していた。



もちろん、行き先は藤堂センパイの所♪
(う~ん、この名前が出てきたのも久しぶりだわね。)





ホントは…ね?
今のお店をやめて、サンフランシスコで就職活動をして。
押しかけ女房上等で、センパイの側にいようと決めてたのよ。



伊織は部長さんと幸せになるだろうし、アリストコートは引き払ってアメリカで第2の人生楽しんでもいいんじゃないのかなぁ…ってね。





でも……
日本に帰ってくると事態はこういう最悪の状況になっていて。




部長さんと別れてすぐの伊織は可哀想すぎて見ていられなかった。




だからこの子が立ち直るまでは、東京に残ろうと思った。