だから…
本当はお前が選ぶ男は俺であって欲しいと願ってた。



汚くてズルくて。
だけど誰より優しくて、きれいな心を持っている高宮の隣で笑っているのは俺でありたいと。
俺以外であって欲しくないと……願ってたよ。』








――桐谷…慎…!!!!!!



そこまで読んで。
私はその手紙から思わず目をそらしてしまった。







なんで…!!
なんであの時、道路なんかに飛び出してしまったんだろう…!!!!



頭の中にあったのは後悔の二文字だけ。








なんで……
なんで後でいいだなんて思ってしまったんだろう。
なんであの時、しんちゃんを助けてしまったんだろう…!!!!!






心の中にあるのは強い後悔だけ。








「桐谷慎…っ!!!!!!」







“一期一会”








誰にも譲っちゃいけない、この瞬間じゃなきゃ訪れない大切な時間。






それが……
私にとっては、まさにあの時だったんだ…!!!