――4年後、サンフランシスコ――






「見て、母さん!!砂のお山完成~!!」


「あら、ホントだ。上手に出来たね。」


「うん♪♪ど~ぉ??パパ。」


「おぉ~力作だなぁ!!!!
じゃ~パパがトンネルを作ってやるぞ~!!」


「きゃあぁぁ~♪」






桐谷慎とすれ違いの中、離れてしまってから早くも4年の歳月が過ぎてしまっていた。




私は30才になり、しゅーちゃんは32才になり…。
隣にいる息子、仁(ジン)は3才になった。








「パパッ、早く!!
早くトンネル作って~!!」


「まかせろ、仁!!サンフランシスコ1のトンネルを作ってやるからな~!!」

「きゃあぁぁ~♪」






西海岸の海で楽しそうに遊ぶ仁としゅーちゃんを見ると…あの時の選択は決して間違いじゃなかったんだと思い知る。





「母さん!!見ててね!!
ボク、おっきいトンネルパパと作るから~!!」



「ふふっ。楽しみにして待ってるね、仁。」






桐谷慎。
わたし…ね??
今、幸せだよ。



あなたは傍にはいないけど…
私はとっても幸せ。







ふふっ。コレじゃ意味がわからないよね??
じゃあ勇気を振り絞って…今までのコトを話そうか。