「きっと俺は、この先お前をもっと傷つける。
俺みたいなヤツ…、好きでいたって一ノ瀬が不幸になるだけだ。」
そう言って、センパイはあたしの肩にポンと手を置く。
“諦めろ”
センパイがそう言いたいのはわかる。
伊織とあたしは唯一無二の親友で、切っても切れない間柄。
伊織と友達でいることを辞めるなんて、あたしには絶対にできない。
だけどルームメイトという関係上、あたしは誰よりも近い距離でセンパイの攻防を見守ることになってしまう。
それは…
とてもツラくて苦しいこと。
だってそうでしょ?
自分の好きな男が違う女を口説く図なんて…、考えただけでも吐き気がする。



