まっすぐに
視線をそらさずに、カレの答えを待っていると
「ホントに…、正反対なんだね。
イブちゃんと高宮さんは。」
ハンドルを握って前を見ながら
幸田先生はフフッと笑う。
そうして、しばらく無言で車を走らせると
「イブちゃんの死因を知ってる?」
先生は突然そんな質問をぶつけてきた。
イブの死因??
そういえば…
先生、さっきも言ってたよね。
『同じメにあっても……』
って……。
私は桐谷慎との思い出を少しずつ紐解く。
『彼女は…死んだんだ。
俺とのデートの帰りに交通事故に巻き込まれてね。』
確か……
そう言っていたはず。
「交通事故…でしょ??」
静かに問いかけると先生は小さくコクンと頷く。
そしてハァと決心したようにため息をつくと、前を見据えてこう言った。
「小さな男の子をかばってね。
イブちゃんは道路に飛び出したんだよ。」
その言葉を聞いて。
背筋にゾゾッと寒気が走る。



