君を想うとⅢ~True love~




窓の外に流れる、都会の喧騒。
流れていく、夜の風景。
車の中に流れる、サンボーンの甘いSAXの音色。



そんな中で…


「ねぇ、先生?」

「ん??」

「聞いてもいい??」

「なに??」

「先生はイブと私を随分比べるのね。」

「あぁ…、気になる??」

「うん、少しね??」



私はさっきから気になっていたことを先生に訊ねた。





イブと私。



大抵イブを知っている人は私と彼女を比べたがる。



早坂さん然(しか)り。
桐谷慎、然り。



でも……
幸田先生はなんだか2人とは見方が違う気がする。





なんでかなぁ。




うまくいえないけれど、早坂さんと桐谷慎は私とイブを同一化して…彼女とはまったく違う私に失望してたフシがある。
(もちろん今はちゃんと“高宮伊織”って人格を受け入れてくれてるんだけども。)



でも…
幸田先生は私とイブの違いを見つけて喜んでるような、ホッとしてるような、そんな気がするんだよね。




だから聞いてみたくなった。
どういう気持ちで私とイブを比べてるのか。